Essay of recor

音楽にまつわる慕情から哲学を綴る“エッセイ オブ レコー”

袖振り合うも多生の縁 <詐欺師とばあさん>

レゲエミュージシャン逮捕=振り込め詐欺リーダー格か-警視庁-【時事ドットコム】

オレオレ詐欺ならぬ、レゲレゲ詐欺。

 
先日友人からこのニュースを聞きました。
「レゲエミュージシャン詐欺グループ、R45、知ってる?」
「・・・ (゚⊿゚)シラネ 」
 
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レゲエというジャンルの多様性をぼくは把握しきれていないというか、もはや日本におけるレゲエの定義がよく分からなくなっている次第ですが、さすがに詐欺グループにまで細分化されてはいないと思います。
 
こんな見出しの記事、レゲエのイメージダウンだよねしかし。

 
・・・そして不覚にも仕事中ラジオに涙してしまった時の事を思い出しました。

それは「大沢悠里のゆうゆうワイド」女のリポート。たぶん。

大沢悠里のゆうゆうワイド 女のリポート―心に沁みる100の話

大沢悠里のゆうゆうワイド 女のリポート―心に沁みる100の話

 

その番組で読まれた投稿は、振り込め詐欺に遭ったおばさんからでした。


詐欺師二人組(息子役と警官役)から電話があり、
警官役:「息子さんが事故を起こしてお金が必要です!」
息子役:「かあちゃん、助けてくれよー(´・ω・`)

・・・と、こんな感じだったと思います。

おばさんは、「息子はもう死んでしまっていないのよ」という事と、
息子役の声が、“生前の息子にそっくりで聞き入ってしまった”事を話し、
「お願いだからもう一度息子の声を聞かせて」と詐欺師に哀願します。

すると息子役は、相当迷ったのでしょう、
しばらく間を置いてから
「かあちゃん・・・ごめん」と言って電話を切りました。

(/TДT)/アウゥ・・・・なにそれ。おれなんで泣いてんの。
 

「良心とは、誰かが見ているよと言ってくれる心の内なる声である」H・L・メンケン(1880-1956)

息子役が最後、電話を切ってしまわずに「ごめん」と言った時。
わずかながら残っていた良心に、人生最大級の呵責があった事でしょう。
彼はきっと同じ過ちを繰り返せないだろうと想像できました。

“袖振り合うも多生の縁”と言います。
このおばさんと詐欺師の縁とは一体どんなものだったのか。
お互いがどんな影響を及ぼし合ったのか、と考えさせられます。